前回のTV通販出演者の集め方”愛用者篇”に引き続き、今回は
“権威者”と呼ばれる方の集め方と役割
について書きたいと思います。(ちょっと長めです)
多くのテレビショッピングには、”権威者”と呼ばれる方が登場します。
通販番組でいう”権威者”とは、
・医師
・研究者
・大学教授
・専門家 など、
一般的には、その道の研究者(プロ)であり、一般的なイメージとして「偉い」、ある分野において「絶対的」と思われている方々です。
登場していただく理由
いくら番組のMCやナレーション、愛用者やタレントがポジティブな感想を述べたとしても、一般の方が聞いたことのない新しい成分だったりすると、信用されません。
そこが”権威者”を出演させる理由になります。
権威者の出演で、商品の信頼性を確保
テレビショッピングで売っている商品の信頼性は、どれだけ直近にバンバンCMを流していたとしても、誰もが知っている大手企業の商品や何百年も続いている老舗の商品の足元にも及びません。
そこで、オンエア中の短時間に大量に売り切ることが最も重要なテレビショッピングでは、別のアプローチをとることになります。
権威者が言うことは全部が正しい・・・とは言いませんが、
結果として、
「○●大学の教授」が登場しているから、信頼できる(気がする)
という消費者心理が導かれます。
科学的な根拠や通説などを分かりやすく説明
病院で実際に患者さんを診ている医師の方は特にそうなのですが、難しい現象や成分、効果効能などを一般的な言葉に置き換えて説明するのがとにかく上手です。
実際に映像を作る制作ディレクターなども、権威者の言葉が映像の構成や見せ方のヒントになる場合が多いと感心しています。
消費者心理的には
「○●クリニックのお医者様」のおっしゃることは、すごく分かりやすいし根拠がある(ように思う)
ということになりますね。
開発企業側・販売側のメリット
“権威者”出演による信頼性の確保以外にも、開発側のメリットはいくつもあります。
・最先端のアドバイス等、商品開発に際してのメリットを得られる
・権威者の知名度が高い場合、○●先生監修とするなど、競合商品との差別化が可能
だいたいこんなところが思い浮かびますね。
一昔前には有名な言葉では無かった”ドクターズコスメ”なんか良い例ですが、
コスメに「ドクター」の名前を追加したことで、「体や肌に良いドクターお墨付きのコスメ」というトレンドが生まれ、市場が一般化しました。
権威者の集め方
“権威者”は”愛用者”よりも探すのは比較的簡単です。
企業側の紹介
大手企業さんの場合、大学や研究組織などに既にコネクションを持たれているので、企業側からの紹介というケースが多いです。既に実績があり、信用できる権威者がいる場合が多く、その方を指名される企業さんもいらっしゃいます。
探す側としては大変楽なのですが、絵的に無難な感じの方が多いので映像的に特徴を出すのに苦労するかもしれません。かといって、
マッドサイエンティストのような雰囲気の方を紹介されても作る側としては困るのですが。
制作側のコネクション
特に健康食品や美容系の通販映像を作った実績のある制作会社は沢山のコネクションがあり、出演依頼先は数多くあります。
候補としては数多く出す事は出来ますが、懸念点としては
など、
結局のところクライアント次第ということになります。
こういった方々は各々の道で結果や実績を出されたり、研究結果が世の中に認められたリしてその道における権威者になられたので、
聞いたことのない健康食品や美容関連の会社が言うよりも当然説得力があるということはご理解いただけるかと思います。
私もそうですが、多くの人はこの権威者の言葉を無条件で信じてしまうんですよね。
ただ、見る側として注意してほしいのは、
この権威者の言い分(正しくは証言しているパート)が正しいだけで、商品自体が100%正しい・効くということではありません。(もちろん正しい場合の方が多いとは思いますが。)
お金ではない出演者側の思惑
なんだか気難しそうな方が多い気がする”権威者”ですが、なぜ出演してくれるのでしょうか?
「高額なギャラが出るから出演している」などと適当に言う方がいますが、実はお金ではありません。
権威者=ほぼ富裕層 であり、普通の人よりも資産は持っていますし、愛用タレント枠と違って権威者枠では余程の方でないと出演料もそんなに高くないです。(タレント兼権威者枠なら別です)
ではなぜ出演するのでしょうか?
何人かの方とお話した経験からすると純粋に、
長年自分が研究してきたこの成分や効果、現象などを理解していただき、世の中のために有効に活用してもらいたい
びっくりですが、本当にこういう方が多いです。
もちろん、
「もっと有名になりたい」とか思っているのかも知れません。
プライベートがいい人かどうか知りませんが、
少なくとも、自身の研究していることに関しては専門家視点かつ熱い思いで語ってくれる方が多いです。