「ShopifyとAmazon 徹底比較」

AmazonとShopifyの比較

初めてのECビジネスを検討する際、Amazonや楽天などのECモールに出店するか、自社サイトを構築して販売するか迷うケースがあるかと思います。ECモールでの販売と自社ECサイトでの販売を比較する際の重要なポイントは言い換えれば



自社専用のオンラインストアで販売することの独占性(自社ECサイト)

VS

使いやすさと多くの潜在顧客への迅速なアクセス。(AmazonなどのECモール)

で、現時点でどちらが自社に適しているか?ということです。

Amazonと自社ECサイトでどちらがクライアントのビジネスに適しているかは、「取り扱い商材のジャンルやコスト」「スタートアップなのか乗り換えなのか」「決済手法」「広告費用」「集客方法」「カスタマーサポート対応」「自社物流システムの有無」「ブランドの確立」など、様々な要素に左右されます。

Amazonとの比較として、最近では自社ECサイト用にShopifyを検討している企業様も多いので、ShopifyとAmazonを比較してみます。

目次

ShopifyとAmazonの明確な違い

まず、「ShopifyとAmazonは全く違うもの」という認識が必要です。
Shopifyは「eコマースプラットフォーム」であり、(マーチャントが)オンライン店舗で商品を販売するために必要なeコマースの機能(ツール)を提供しています。 一方で、Amazonはeコマースビジネスとユーザー(消費者)をつなぐ「マーケットプレイス」です。

現実世界のマーケットプレイスと店舗を想像してみると分かりやすいです。

「マーケットプレイス」:良く似た商品を提供する複数のブランドがあり、多数の見込み顧客が店頭を行き来しています。過剰に集客する必要はなく、自社のブランドを必要以上に売り込む必要がないというメリットがありますが、他の複数のブランドと競争しなければならないというデメリットもあります。


「自社店舗」:売り場スペースをコントロールでき、店内のレイアウト、お客の導線、レジの位置などを自分たちで決めることができます。しかし、まず自分たちの手で、商品を購入しそうなお客様を集客する必要があります。

考えなければいけないのは、何度も言いますが「現時点でどちらが自社ビジネスを行う上でのニーズに適しているか」ということです。とはいえ、2つのプラットフォームは多くの分野で類似・競合するサービスを提供しているので、
まずは、

ShopifyとAmazonの長所と短所
についてまとめてみました。

ShopifyとAmazonの比較:長所と短所

商品をAmazonで販売するのとShopifyで販売するのでは、マーチャントにとっても顧客にとっても全く異なる経験になります。そこで、AmazonとShopifyの長所と短所を説明します。

Shopifyの長所

eコマースツールを提供するサービスであること。

Shopifyは幅広いeコマースサービスを提供しており、需要のレベルに関係なく、顧客のサイトへの来訪から購買、発送にいたるまでカスタマージャーニーにおけるほぼすべての段階で顧客の要望に対応することができます。また、第三者が提供するアプリなどを利用することで、より満足度の高いサイトを構築することができます。

ブランド-アイデンティティの構築に適している

Shopifyを使って独自のサイトを作りブランドの持つ世界観を伝えることは、顧客と持続的な関係を築く上で非常に重要な意味を持ちます。

魅力的なカスタマー・エクスペリエンスを創造できる

カスタマージャーニーの構築も自社で行うことができるため、顧客がオンラインでブランドとどのように接するかを自社で決めることができます。オンラインモールでの統一されたサービスの提供よりも、顧客がブランドに重視する事項を優先することでより魅力的なサービスを提供することも可能です。

商品の展示方法を自社で決められる

どの商品をどの場所にどういった順番で展示するかなど、自由にコントロールできます。

はじめやすさと拡張的なプラン

Shopifyは必要最低限のプランから始めることができ、ブランドの成長に合わせて機能を追加することができます。実際にShopifyは、個人商店から世界的なブランドまで、非常に多種多様なビジネスをサポートしています。

Shopifyの短所

サイト構築やブランドの成長までのリードタイムが長い

Shopifyは大変使いやすいのですが、サイトの立ち上げと運営にはある程度の時間とリソースが必要です。Amazonでの販売はすぐに始めることができますが、Shopifyを使って見栄えの良いストアを立ち上げるには少し時間がかかります。※Shopifyだけでなく、他のプラットフォームを使っても同様に時間がかかります。

高度な機能は高価

Shopifyは柔軟な料金体系を採用しているため、自社ビジネスのニーズに合ったプランを見つけることができますが、カスタムレポートの作成や分析などの機能の利用は、より上位のプランを利用する必要があります。

追加機能が必要

ストアの機能をより充実させるために、アプリを追加するケースも考えられます。通常、これらにはコストがかかり、かつ個別にメンテナンスなどが必要になる場合があります。(Shopifyのアプリ数は非常に多く、無料で利用できるものも多数存在しますが、より便利な機能を利用するには上位のプランを契約する必要があるかもしれません)

マーケティングへの責任

独自のブランドを自由に構築できることの弊害として、SEOやマーケティングなどの仕事すべてを自分でやらなければなりません。Amazonが世界中から何十億という顧客を集めているのに対し、自社サイトではブランドや商品を知ってもらうためにまずはサイトへの訪問者を集めることから始める必要があります。

既存のテーマではできないこともある

独自のブランドサイトを構築できるのは素晴らしいことですが、Shopifyの標準的なテーマはいわゆるテンプレートで型にはまったものが多く、多くの競合サイトの中で目立ちたいのであれば独自にテーマをカスタマイズするなど、さらに上を目指す必要があります。

Amazonの長所

世界最大級のEコマース企業との提携

世界中で毎月20億人以上の買い物客がアマゾンを利用しています。Amazonでの販売を開始すると、自社のマーケティング予算だけでは絶対に手が届かない広大な市場へのアクセスが可能になります。

巨大倉庫と物流処理能力

Amazon(FBA)を利用することで、在庫をキチンと保管し、大規模な注文にも迅速に対応することができます。

より迅速に立ち上げ可能

Amazon上で販売する場合、サイトの開発に時間を費やす必要はなく、アカウントを開設し、商品を登録するだけで販売を開始できます。今すぐにでも市場に参入したい人にとっては、非常に良い選択肢となります

技術的なメンテナンスが最小限で済みます

商品を販売するためのウェブサイトを立ち上げ、管理する必要がありません。また、機能などのアップデートなども基本的にはAmazon側で全て行ってくれるので、Amazon内でのマーケティングにリソースを集中できます。

Amazonの短所

競合が多い

販売する商品にもよりますが、Amazon内では、常に多くの企業や競合に当たる商品が、自社商品と競っているような状態です。たとえ自社の商品が素晴らしくても商品を目立たせることは非常に難しいです。

ブランド構築が難しい

Amazonのサイトを通じて販売することになるため、顧客とのやり取りはすべてAmazonが管理することになります。販促用の同梱物等も基本的に禁止されているので、顧客に自社の別の商品を直接売り込むことはできませんし、商品以外を通じてブランドを確立するのは大変です。

すべての自社商品を表示するのが難しい。

Amazonでは多くの顧客と接することができるかもしれませんが、顧客は自社の商品群を閲覧するのではなく、1つの商品を他社の商品と比較して探していることが多いため、各顧客とのインタラクションから価値を最大化することが難しくなります。

Amazon依存

もしAmazonが自社のビジネスに影響を与えるような変更や決定(例えば手数料や倉庫保管料の値上げ、また最近よく耳にするAmazonプライム会員費の値上げ等)を行えば、自社のビジネスが深刻な状態になるかもしれません。

ここまでのまとめ

上に挙げた情報だけでShopifyとAmazonのどちらを使うかの判断は難しいかと思いますが、それぞれを選んだ方がよい場合のみまとめててみます。

Shopifyを選んだ方がよいケース

それなりのマーケティング予算があり、収益を上げるようなショップ環境の構築や商品体験を想像できるリソースがあるなら、Shopifyで立ち上げるべきだと考えます。
また、独自性の高い商品やブランドの場合もShopifyでの展開が理想的です。例えばソーシャルメディアマーケティングに向いているような尖った商品やブランドであれば、Amazonで販売してブランドを希薄させるのではなく、独自のショップでSNSなどを使い売り出していく方が、最終的にユニークなブランド構築が期待でき、効率よく売上を確保できるかと考えます。(※但し、そこに行きつくまでの継続力とある程度のリソース確保が必要です。)

Amazonを選んだ方がよいケース

ECを始めたばかりでマーケティングにかけるコストをあまり負担せずスタートしたい場合は圧倒的にAmazonがおすすめです。また、自社倉庫や物流システムが無い場合もAmazon(FBA)を使うことで全てのコストをAmazonに一元化することが可能です。

ShopifyとAmazonを両方を使うケース

Shopifyで自社サイトを構築するリソースが十分にあり、ロジスティクス部分を他社へ依存することが決定している場合は、EC開始当初から両方を使うのがおすすめです。

自社サイトを構築後、AmazonFBAを利用することで、全てのショップのロジスティクスをAmazonFBAにて一元管理可能です。

  • Amazon内で販売
  • 自社サイトでも販売
  • Amazon以外のモール(楽天やYahooなど)でも販売
  • 在庫の共有が可能。Amazon内のセールなどにも参加可能。

(ShopifyとAmazonFBAの在庫連携ツール等を導入する必要がありますが、比較的簡単に設定可能です。)

次回は利用コストと機能について

次回はより具体的な機能や利用コストについてまとめてみます。

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